商業簿記でも、製造業を営む会社の財務諸表が問われることがあります。工業簿記との橋渡しとして概観しましょう。
先生、製造業の会社の決算って、ふつうの商社とどう違うの?
工業簿記の話?
半分そうね。
工場でモノを作るから、財務諸表に製品や仕掛品、材料といった棚卸資産が並ぶの。
商業簿記でもこの表示を押さえておくのよ。
商品売買業では棚卸資産は『商品』一つですが、製造業では製造の段階に応じて材料・仕掛品・製品の3つに分かれます。
ここが大きな違いです。
うぅ〜ん…材料と仕掛品と製品って、どう違うんですかぁ?
材料はこれから加工する原料、仕掛品は加工の途中のもの、製品は完成して売れる状態のもの。
作る流れに沿って名前が変わるの。
じゃあ損益計算書の売上原価はどうなるの?
商品じゃないよね?
製造業では、売上原価は売上原価として、期首製品+当期製品製造原価−期末製品で計算するの。
商品売買の『期首商品+仕入−期末商品』とよく似た形ね。
当期製品製造原価は工業簿記で計算しますが、商業簿記の財務諸表では、その金額を使って売上原価を求め、損益計算書に表示する流れを理解しておけば十分です。
商品が製品に変わって、途中の段階が増えるイメージなんですねぇ。
その通り。
2級の商業簿記では細かい原価計算までは問われないから、財務諸表にどう表示されるかを中心に押さえておいてね。
材料→仕掛品→製品、と流れで覚えれば怖くないね!
確認クイズ
製造業を営む会社の財務諸表に関する説明として正しいものはどれか。
- 製造業の棚卸資産は『商品』一つだけである
- 製品の売上原価は期首製品+当期製品製造原価−期末製品で計算する
- 仕掛品は完成して販売できる状態の資産である
- 製造業では貸借対照表に材料を表示しない
こたえを見る
正解: 2. 製品の売上原価は期首製品+当期製品製造原価−期末製品で計算する
売上原価は期首製品+当期製品製造原価−期末製品で計算するが正解。選択肢1は材料・仕掛品・製品に分かれる。選択肢3の完成品は製品で、仕掛品は加工途中。選択肢4は材料も棚卸資産として表示する。